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Profile

倉林 陽
Managing Partner
倉林は、日本のB2Bテクノロジーセクターにおいて米国流の投資スタイルを確立し、業界の健全な発展に貢献すべくキャリアを築いてきました。これまでに数多くの国内SaaSベンチャー企業に対し、主としてアーリーステージからリードインベスターとして投資し、社外取締役として成長を支援しています。 現在、DNXの日本側の投資を統括し、データX、アンドパッド、サイカ、カケハシ、UPWARD、マツリカ、アダコテック、テックタッチ、FLUX、ナレッジワーク、アルファス、ゼロボード、HERP、Scalebase、Shippioの社外取締役を務めています。 これまでの主な過去の投資、支援先はSansan(東証PRM 4443)、マネーフォワード(東証PRM 3994)、チームスピリット(東証GRT 4397)、toBeマーケティング(富士通により買収)、UPSIDER(みずほ銀行により買収)、ホットリンク(東証GRT 3680)、テラスカイ(東証GRT 3915)、シナジーマーケティング(Yahoo Japanにより買収)、1st Holdings(オリックスにより買収)、シャノン(東証GRT 3976)、カブク(双葉電子工業により買収)、Beceem Communications(Broadcomにより買収)、Smart Signal(GE Intelligent Platformにより買収)等。 2015年3月にDNX Venturesに参画する前は、Salesforce Ventures、Globespan Capital Partnersで日本代表を歴任。MBA留学前は、三井物産、および富士通にて、東京とシリコンバレーで日米のB2Bベンチャー企業への投資、および投資先の事業開発に従事。 ベンチャーキャピタリストとしての活動の他に、KKR、プロバレーボールチームVoreas北海道、東京科学大学リーダーシップ教育院のアドバイザーも務めています。 同志社大学商学部卒、総合政策科学研究科博士(技術・革新的経営専攻)。一橋大学大学院法学研究科ビジネスロー専攻修了。ペンシルバニア大学ウォートンスクールMBA修了。東京大学Executive Management Program修了(第17期)。ハーバードビジネススクールGeneral Management Program修了(GMP36)。同志社大学非常勤講師。東京科学大学非常勤講師。 著書「コーポレートベンチャーキャピタルの実務」(中央経済社)、掲載論文「日本のスタートアップにおけるコーポレートガバナンス上の課題」旬刊 商事法務 No.2373号(11月5日号)

Interview

  • ベンチャーキャピタルという プロフェッションを日本に
  • 日本のB2Bソフトウェア領域に 変化の兆しを見出しながら 私が社会人になった30年ほど前から、日本においてもスタートアップの活性化に向け様々な取組が行われてきました。着実に前に進んだ部分もある一方で、業界でのリーダーシップや企業価値という観点では、残念ながら日本とシリコンバレーとの差は開く一方です。 シリコンバレーには世界中から多様な人材が集まり、異なるバックグラウンドから次々と素晴らしい会社が誕生しています。MicrosoftやSalesforce、直近ではAnthropicのようなAIカンパニーまで、世界のインフラとなったB2Bソフトウェア領域の企業の多くは、米国から生まれました。 この巨大なB2Bソフトウェア市場で、日本からも業界のリーダーになり得る企業を創出することを支援できないだろうか。かつてはB2Bソフトウェアスタートアップの創業者たり得る業界経験豊富な人材が退職まで大企業に留まる傾向がありましたが、現在は大企業で活躍されていた方々が、事業を通じて発見した社会課題を、先端ソフトウェア技術を使って解決すべくスタートアップを創業されるケースも増え、成功事例も着実に積み上がってきています。 パーパスとインテグリティを持った人材が起業し、事業成長と共に社会をより良くしていく。その姿が、日本におけるベンチャーへの印象を変えつつあると感じています。 しかし、私が目指しているのは、B2Bソフトウェアのイノベーションを海外の力だけに頼るのではなく、日本の起業家自身が担い手となる世界をつくることです。日本企業が先端的なテクノロジーの恩恵を受けて成長していくエコシステムに日本の起業家が貢献できるようにしたいという想いを抱き、ここまでやってきました。
  • やっと見つけた鉱脈 “ホンモノ”のベンチャーキャピタルを日本に 私がキャリアを通じてこだわり続けているのは、「米国のベンチャーキャピタル」というプロフェッションを日本で実現することです。 アメリカの主要なベンチャーキャピタルでは、リードインベスターが投資先の社外取締役に就き、経営判断とガバナンスに大きな影響力を持ちます。投資先のことを徹底的に調べ抜き、テクノロジーの深い理解を持って臨むのは当然のこと、機関投資家の大切な資金を預かっているという責任感から、社外取締役として企業価値最大化のために正しい判断を行う。これこそが、ベンチャーキャピタルの本来あるべき姿です。 ところが日本では、その土台がないまま“ベンチャーキャピタル”という表層的な職業が定着しました。キャピタリスト側のスタートアップ経営経験やITテクノロジーについての理解が浅く、本来の役割を十分に果たさないことも珍しくありません。歴史上、日本のベンチャーキャピタルは、米国のベンチャーキャピタルのように未上場企業のガバナンスの守護者として責任ある社外取締役の役割を期待されていなかったため、単に起業家に資金を供給して応援する存在として米国と異なる歴史を歩んできています。 一生をかけて取り組むべき仕事が何なのか探し続けていた25歳の時、アメリカのベンチャーキャピタルに出会い、まるで鉱脈を見つけたような衝撃が走ったのを覚えています。日本の多くの人がまだこの日米格差に気づいていないだけでなく、その探究が自分に合っている仕事だと実感したからです。 その後の旅路は非常に刺激的で、追いかければ追いかけるほどに、さらなる高みを目指そうと思える素晴らしい人達との出会いにあふれていました。 Globespan Capital PartnersやSalesforce Venturesで働いていた当時出会った同僚たちは、今やシリコンバレーのスーパースターです。彼らの姿を見るたび、自分自身をより磨かなければ、という気持ちが強まります。
  • 起業家と共に企業価値最大化を目指すパートナーとして 起業家と私たちの関係性は、とても柔らかく繊細なものです。私たちの間に深い信頼関係がなければ、共に成長を目指すことはできません。一方で、機関投資家から預かった資金に対する受託者責任を負う私たちは、どんな時でも起業家を庇うような存在にはなれません。長年事業成長ができない場合には厳しい判断をせざるを得ない時もあり、シビアな世界であることを痛感します。 だからこそ、私は「DNXがアントレプレナーに求めるもの」を体現する起業家の皆さんに対して強烈なリスペクトを抱いています。社会課題を解決しようと起業を決断し、企業価値最大化のために全力を尽くすAuthenticな姿勢は、決して誰もが真似できるものではありません。それをやり遂げようとする方へのリスペクトと共に、それに見合う自分たちであるべく、「アントレプレナーの真の伴走者であれ」という我々のバリューに沿って、我々自身も成長を続けたいと考えています。

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