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Profile
上野 なつみ
Vice President of Marketing & Portfolio Success
多摩美術大学卒業後、2011年に三井物産株式会社に入社。情報産業本部にて液晶パネル事業を担当。その後、クリエイターネットワーク事業を展開する株式会社モーフィングに転じ、執行役員として事業統括やウェブメディアの編集長を歴任。2018年にDNX Capitalへ参画。リブランディングを皮切りに、SPROUNDの立ち上げ・運営、広報・マーケティング、イベント企画を統括する。美大で培った編集・キュレーションの視点を活かし、ブランドづくりと投資先支援プラットフォームの両面を担う。
Interview
起業家たちのビジョンに触れると 社会の未来と希望が見えてくる
アーティスト支援を原点に 予想外のベンチャーキャピタルへ
美大時代の卒論テーマは「編集」でした。いわゆる文章の編集ではなく、クリエイターの作品をどんな文脈に乗せて届けるかという、コンセプトメイキングとしての編集です。展覧会やフリーマガジン、コンテストの運営など、クリエイターにスポットを当てる様々なプロジェクトに、学生時代から没頭していました。 卒業後はご縁をいただき三井物産に入社しましたが、より手触り感のある仕事を求めて学生時代から付き合いの深かったベンチャーへ転職しました。その直後、家族の都合で南米チリに帯同することに。チリでの約4年間は、貧富差や環境問題、教育や健康の問題を日常的に肌で感じる日々でした。 帰国した矢先、知人から声をかけられ、ベンチャーキャピタルという世界と出会いました。そこで知ったのは、起業家たちがそれぞれのフィールドで社会課題に、正面から熱量高く向き合っているということでした。自身が目の当たりにし、途方に暮れていた問題に、本気で挑む同世代がいる。その希望が、新しい業界に踏み出す決め手になりました。
アートの世界にビジネスを ビジネスの世界にアートの感性を
入社直後から約4ヶ月で、日米チームを巻き込んだリブランディングプロジェクトを引き継ぎ、完遂しました。クリエイティブに関わってきた経験が思わぬ形で活きたのです。そこからブランディングと広報を軸とした業務を担うようになり、イベント企画、SPROUNDの立ち上げ、PR支援へと業務が広がっていきました。SPROUNDがあることで、経営者の人柄やチームの空気感を自然と知ることができます。その蓄積が、その後のメディアへのご紹介やイベント設計に活きていると感じます。 起業家との向き合い方の原点は、美大時代のアートプロデュースの経験にあります。主役はアーティストであり、自分は黒子。コンセプトを先行させすぎて表現者を怒らせてしまった苦い経験もあり、「才能を活かす」とはどういうことかを身をもって学びました。その姿勢は今にも引き継がれています。アントレプレナーの描くビジョンやポテンシャルを、言語化しスポットを当てられるようご支援するのが私の役目です。 振り返れば、ビジネスの世界ではアートの感性を、クリエイティブの世界ではビジネスの視点を、どちらの場でもユニークな存在として、自分の居場所を見つけてきました。 DNXのバリューのひとつに、「鍛えた直感力で、未来を見抜け。」という言葉があります。数字に基づくサイエンスの力のほか、アートの力も掛け合わせていくことを示したバリューです。ここに表されている直感力、今までの経験をもとに、キャピタリストとは異なる視点を提供することでチーム貢献できればと考えています。
数々のビジョンが重なる先に 社会の未来が見えてくる
DNXにジョインして約8年、自分があまりに業界知見や経験が浅かったこともあり、あくまで自分はこれまでの経験やスキルで「場をつくり、起業家や投資家に委ねる」スタンスで仕事を続けてきました。主観的な意図は心にしまい、ブランドの発信やコミュニティを通じて、その先に何が生まれるかを見守ることを大切にしてきました。けれど最近、「編集者」として、各社のビジョンや魅力を語り直していくべきではないか、と思い始めています。 たとえばPR支援の場面では、自分がその会社のどこに魅力を感じているのかといった主観も織り交ぜることで、一層伝わる形でメディアに届けています。「自分が編集者だったら、こういう切り口で記事にする」という提案ができれば、学生時代から大切にしてきた編集の視点も活かすことができるのではないかと考え始めています。 1社のビジョンにコミットするのではなく、数々の起業家のビジョンに触れ続けられる。それがVCという場所が自分にフィットした理由でもあります。社会の歪みは、今もあまりあります。世界では今も戦争が起き、自然災害は激しさを増す。あの頃感じた途方に暮れるような感覚は、むしろ色濃くなっています。それでも、そうした問題に正面から向き合い続ける起業家たちがいる。その姿への深いリスペクトが、この仕事を続ける原動力です。彼らのビジョンと挑戦に寄り添いながら、明るい未来を描いていきたいと思います。
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